リベラリズム考(8)―正義 からのつづき。 リベラリズムには多面的な主張があることが解ってきた。 自由に境界を超えてゆこうとすること、現状の価値を理性の力によって変革しようとすること、進歩を良いこととすること、先入観の排除および事実と分析、個人主義と自律、他者の個人主義的主張を理解し認める寛容、公正としての正義など。 19世紀... Read More
リベラリズム考(8)―正義
リベラリズム考(7)―自律 からのつづき。 リベラリズムの淵源である「啓蒙思想」は、理性の光によって公正な社会を啓(ひらく)くことであった。では、公正とはいったい何か。さっそく理性の光で照らし、リベラリズムの本質と「正義」との関係を掘り下げよう。 現在の日本でリベラルの権威は誰かと問えば、井上達夫東大教授の名が挙... Read More
リベラリズム考(7)―自律
リベラリズム考(6)―個人主義(ⅱ) からのつづき。 前記事の後半で言及した「自律」については、個人主義において重要な位置を占めると思うのでもう少し掘り下げてみたい。 まず、西尾幹二氏の言葉を引く。 ことさらに社会的意識を標榜せずとも、ただ「個人」であることによって、じゅうぶん社会化された個性を発揮できるというのが真の個性の意... Read More
リベラリズム考(6)―個人主義(ⅱ)
リベラリズム考(5)―個人主義(ⅰ) からのつづき。 同一日の2記事掲載ですので、個人主義(ⅰ)を先にお読みください。以下、まずは事典の引用から入ります。 (3)規範的主張 規範的主張としての個人主義は、何をもって良き生とするかの決定を個人に委ねよ、という個人の自律・自己決定を主張する。 この規範的な個人主義は、... Read More
リベラリズム考(5)―個人主義(ⅰ)
リベラリズム考(4)―Liberty からのつづき。 今回は前回の流れからリベラリズムの批判と吟味についての論考を書く予定をしていたけれども、まだ批判には早いと考え直した。リベラリズムの別の側面についてを更に考究するために路線変更をし、今回は、個人主義についての考察をしてみようと思う。 リベラリズムの性格の中核には個人の尊重が... Read More