閑話

個人の観念世界についての探究は、実在世界の原理がどうなっているのかとリンクさせて考察する方法と、切り離して考察する方法がある。実在世界は人類文明が自然科学の分野を発展させたことによって、大きく信頼性を高めることになった。実在世界にかんしていえば、今や自然科学をエビデンスとして使われていないロジックは、使っているロジックと比較すれば、圧倒的に信頼度が低下する... Read More

観念世界の視点と視座

前の記事のように、人間は個人固有の想像力によって、観念世界に幾つもの空間を創造する。そして、それぞれの空間内に自分と他者など個々の「視点」をつくり、その視点から空間内を見つめる。一方では空間の外からその空間全体を俯瞰し把握する「視座」をつくる。つまり「異なる私」が空間の数だけ創られる。その空間の広さは「視角」によって「視野」が変わり、思索と想像の奥行きと議... Read More

観念世界の空間創造

前の記事を少し補足しておこう。実在世界なくして観念世界はないと書いた。なぜなら、観念世界に意味と価値をもとに表象を形成するには、「概念」「言語」「価値観」「論理」といった材料が必要であり、材料についての十分な理解も必要であるからだ。これらの材料と、その理解を手助けしてくれる他者は文献を含めて、自分の環境としての実在世界に存在している。観念世界は随時更新され... Read More

実在世界が観念世界を創る

実在世界がどのように形成されるのかについては、観念世界を分析していく後半にその場面がくる。まずは観念世界がどのように生成され、形成され、変容し、主体によって活用されているのかについて考えてみる。 観念世界は、実在世界からの信号を私たち人間が受け取るところから始まる。生後、実在世界なくして観念世界はない。実在世界は、無限空間と無限時間か、またはそれに近い膨大... Read More

実在世界と観念世界

1.「実在世界>観念世界」 物理的な宇宙空間は、物理的な私よりもはるかに大きい。塵以下の極小である。顕微鏡を使っても存在を確認できないほど極小だ。その極小な私の中に展開している観念世界は宇宙全体のことをどれだけ知っているだろうか。1%どころか0%に限りなく近い値となるだろう。よって実在世界は観念世界よりもはるかに大きい。 2.「観念世界>実在世界」 人間の... Read More

「判断する」ことの種類分解

「判断する」とはどういうことか。判断を行うことは、人間が生きる上で最も重要な行為の一つである。判断は単なる「判る」にとどまらず「決定する」という行為を含意する。私たちは、あらゆる情報を判別し決定する。常にジャッジしているんだ。判断保留も判断に含めるとすれば、判断の連続によって生きることができていると言える。例えば、その情報は正しいのか誤りなのかとか、幾つか... Read More

サイト雑感

前の記事で「人類哲学の独創」についての最新MENUをアップした。MainTitleとSubTitleを決めた。構造原理における認識と表現とのあいだに「欲求」を加えた。この原理の中核は意志がどのようにして生成されるかにある。 それにしても、1年9か月ぶりに復活した断想7月24日から8月30日までの記事を再度読んでいくと、自分でいうのもなんだが充実している。概... Read More

独創哲学の仮メニュー/2023年9月版

先月8月6日に作った仮メニューをブラッシュアップした。1か月半も経つと明らかに変わる。3の各種理論については暫定的な項目なので、今後、大きく変わる可能性がある。1の構造原理と2の意味原理については、ほぼ確定的。 **************** 『人間原理論』 The Theory of Humanity --〈哲学的探究からの独自の洞察と創造知〉-- O... Read More

「日本人」の個性(8)まとめ

断想の連作は久しぶりだった。「日本人」の個性をこの程度でまとめられるはずもなく、少なくとも1年間程度は書き続けなければ何も言っていないと同じようなものかもしれない。「断想」を免罪符に、思い付きの連続をブリコラージュ的に綴ってみただけだ。 ただ、「私の美学建設」は「人類哲学の独創」とともに私のライフワークであり生きがいでもあるので、日本の思想文化における美学... Read More

「日本人」の個性(7)忍ぶー3

前の記事までは「忍ぶ」という概念を思考的に分析した。今回は、芥川龍之介の短編小説『手巾』に描かれている「しのぶ」の概念に接し、感覚的および感情的に感じてみよう。なお本作には「しのぶ」も「忍ぶ」も、一文字もない。 本作は著作権が切れており、あおぞら文庫に収録されているからインターネット上で誰でも読める。以下に、私流にあらすじを簡略して書くけれども、原作にあた... Read More

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