心の姿の学問
心理学というジャンルが本格的に学究されだしたのは18世紀後半頃からで、とても若い学問です。なかでも無意識の心理学については、ピエール・ジャネ(1859-1947)、ジークムント・フロイト(1856-1936)、カール・グスタフ・ユング(1875-1961)らが道を開き20世紀に開花したばかりです。
近代自我は、合理性、効率性、計画性、整合性、論理性などによって、20世紀の科学を劇的に発展させました。
一方で無意識の研究が進むにつれ、まだぼんやりとですが、創造力についていろいろな仮説が立てられ始めています。
著名な精神分析医や心理学者の知見をもとに、いま私は次のように考えています。
無意識領域内に自覚なく潜在している、無計画、無目的、無秩序、非合理、非効率、非真理、不整合、不安定、不確実、未完成、未成熟、未解明、なるもの(私はこれを三無三非三不三未~無非不未独創論と名付けました)が、混沌たる心の深層で勝手にマッチングし、閃きや創造に繋がっているのではないか。
人間がただ単に生きるだけならば創造力は必要としませんし、可能性を追わず冒険を求めずに、現実的に確実な人生を送ったほうが安定します。安全で安心ですね。
私は逆に、不安定や危険な冒険を好む性分で、未知なるなにか、偶然の出会いによるなにかにわくわくすることが人生の醍醐味だと思っています。
無意識と創造について、考えを深めてまいります。
無意識と創造の心理学 INDEX
- A.エレンベルガー/『無意識の発見』
- C.G.ユング/分析心理学『タイプ論』『元型論』
- A.H.マズロー/自己実現と創造性『完全なる人間』
- M.チクセントミハイ/フロー体験『クリエイティヴィティ』
- 西田幾多郎/『無の自覚的限定』