リベラリズム考(4)―Liberty

多義的であるリベラリズムの淵源が啓蒙と寛容にあることを再確認した。次は、啓蒙と寛容がいかにして「Liberty」に結びついていったのかについて、自由と邦訳されるリバティの本質とは何かを考えてみたい。 まず英和辞典から「liberty」と「freedom」を引いてみよう。 ■ liberty 【自由】 1.(圧制、外国支配などからの)自由;(監禁などからの... Read More

リベラリズム考(3)―寛容

前の記事では啓蒙思想を扱った。 Lumières Aufklärung Enlightenment を日本語に翻訳した「啓蒙」の二文字には、ヨーロッパの各時代の歴史、そこに生きた知識人たちの葛藤と格闘による膨大な叡智が凝縮されていることを学んだ。こんにち、単に「リベラル」という語を軽く扱う現代の知識人、特にマスメディアや政治家、評論家は、啓蒙の叡知と... Read More

リベラリズム考(2)―啓蒙

リベラリズムの思想的淵源は「啓蒙」と「寛容」にあるというのが学者の共通了解ということであった。まずは啓蒙思想について調べ、そのアウトラインをリベラリズムの「イメージ」として映し出していこう。   ■ 啓蒙思想 Lumières Aufklärung Enlightenment いっさいを理性の光に照らして見ることで、旧弊を打破し、公正な社会... Read More

リベラリズム考(1)―多義性

昨今、政治におけるリベラルとは何か、保守とは何かの定義がぐらついており、日本の政治家の自称リベラル派とマスメディアによる、リベラルという語の語義、語感についての誤った表現には看過できないところが大いにある。この機会にあらためてリベラリズムを掘り下げてみようと思う。   リベラリズムとは何か。 直訳すれば自由主義であるが非常に多義的である。リバティ... Read More

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