2-B 価値観原理


『人間原理論』
The Theory of Humanity

哲学的探究からの独自の洞察と創造知
Original Insights and Creative Wisdom from Philosophical Inquiry

意味原理
Principles of Meaning


【価値観原理論】
価値・価値観の確立原理

Principle of Value and Belief
Establishing Values and Beliefs


 

価値観について、さまざまな角度から検証しその原理を体系的に理論化する。第8章で価値観をカテゴライズし、更にカテゴリー内を項目に細分化する。各章、各カテゴリー、各項目すべての関連性についても構造と力動を明らかにする。

 

第1章 価値の起源と価値観形成

原始生物における価値はどのように生まれたのか。現生人類はさまざまなものごとに価値を付与するが、価値そのものの起源を辿る。価値を付与することで価値観が形成される。価値から価値観が形成されていくまでの原理を明らかにする。

 

第2章 人間原理における価値観の構造

人間に価値観が無ければ認識も欲求も表現もない。人間の原理構造のなかで価値観は常にはたらいている。原理の力動に意味を与える素材としての価値観は、どのような位置でどのような役割を果たしているのか、その構造と力動を明らかにする。

 

第3章 価値観の能力的意義

人間の認知や判断、思考、表現には、価値観が能力として使われる。ツールとしての価値観に視点を置き、人間原理における価値観の能力的意義について議論する。

 

第4章 規範としての価値観

人間は価値観によって規範をつくる。生きていく中で個人としての規範は必要不可欠であり、集団生活を営む上で社会としての規範も必要不可欠である。社会集団の中で個人は、善悪観と法律、文化習俗の規範を共有することに同意しなければ公共は成立しない。価値観と規範の関係について明らかにする。

 

第5章 価値観の影響と変容

一社会の価値観は、個人および異なる社会に影響を与える。個人の価値観は他者の価値観に影響を与える。子どもの頃には親や大人、社会からの影響をうけて価値観が形成され、そして次々と変容していく。個人の価値観、他人の価値観、社会に内在する公共の価値観がそれぞれに与える影響と変容について議論する

 

第6章 価値観の課題と展望

価値観と価値観のあいだには対立が生じ、排他的意識も生じる。個人の中に内在する矛盾した価値観は葛藤を生む。個人と社会の価値観の相違、価値観が異なる集団(国家、宗教集団、イデオロギー集団)において対立を緩和し、相互に許容し、いかに共存していくかについての展望をひらき、提案する。

 

第7章 価値観の現象学的性質

価値観は私たち人間の観念上に現象している。人間原理の構造内で力動を生じさせるための重要な素材として、ストック状態から取り出されて使用される。価値観がどのような性質を帯びているのかについて考察する。

1.価値観の固有性と共有性
個人の価値観は固有のものとして形成され、常に変容する。形成と変容にはどのような原理がはたらいているのかについて明らかにする。一方で個人間から国家間にいたるまで、価値観には共有されるという性質がある。共有性には帰属欲求も絡む。固有性と共有性の相互関係性について考察する。

2.価値観の非分断的持続性
時々刻々と価値観は変容するが、途切れることなく連続している。アイデンティティの同一性に価値観の連続性はどのように関与しているのか。記憶の連続性と価値観の連続性について考察する。

3.価値観の感情性
価値観は欲求を生む。欲求は感情を生む。そうして価値観は間接的に感情に結び付く。価値観が人間の心と結びつくことによって感情を生み出す原理について明らかにする。

4.価値観の意識性と無意識性
価値観は無意識領域に根付くと考えられるが、意識性が内省となって変容していく場合もある。価値観がどのように無意識に浸透し、どのように意識に現れるのかについて考察する。

5.価値観の受容性
他者の価値観から影響を受け、自己の価値観が変化していく性質について考察する。

6.価値観の影響付与性
自分の価値観を表現することによって他者に影響を及ぼし、他者の価値観が変化していく性質について考察する。

7.価値観の多様性と相対性
多様性と相対性。

8.価値観の統合性と矛盾性
統合性と矛盾性。

9.価値観の発展性と変容性
発展性と変容性。

 

第8章 価値観のカテゴリーと項目

価値観が形成され変容していく過程で、私たちは社会の側から多大な影響を受ける。或いは逆に社会へ影響を与えることを欲求する。また、私たち個人のなかで価値観は常にストックされ変容している。価値観をカテゴライズし、それぞれのカテゴリー内を更に項目に細分化する。カテゴリーおよび細分化された項目の内容について議論を深める。

1.思想的価値観

(1)宗教
(2)政治思想
(3)社会思想
(4)人間思想
(5)ヒューマニズム

2.文化的価値観

(1)民族
(2)習俗
(3)教養
(4)芸術
(5)文学
(6)教育
(7)食文化
(8)住文化
(9)服飾文化
(10)性文化
(11)産業
(12)メディア
(13)インターネットコミュニティー
(14)エンターテインメント

3.文明的価値観

(1)科学
(2)技術
(3)言語
(4)学問
(5)医療
(6)法
(7)情報
(8)公共性
(9)移動

4.論理的価値観

(1)真偽判断
(2)正誤判断
(3)整合性
(4)法則性
(5)直観
(6)思考
(7)可能性

5.人間倫理的価値観

(1)善悪観
(2)死生観
(3)人生観
(4)公正
(5)福祉
(6)使命感
(7)道理
(8)人間としての筋道
(9)気概・心意気・人情

6.感性的価値観

(1)美しさ
(2)味わい深さ
(3)クオリア
(4)音楽
(5)美術
(6)文芸

7.感情的価値観

(1)悲哀
(2)幸せ
(3)喜び
(4)安心
(5)驚き
(6)怒り
(7)憎悪怨嗟
(8)不安

8.身体的価値観

(1)健康全般
(2)運動能力
(3)自律神経およびホルモン分泌
(4)内臓
(5)栄養と睡眠
(6)体験
(7)外見
(8)清潔感

9.生活習慣的価値観

(1)朝昼夜の個人的サイクル
(2)仕事
(3)趣味と娯楽
(4)運動
(5)食生活
(6)睡眠
(7)リラックス

10.環境的価値観

(1)自然環境
(2)気候
(3)植物と動物との共生
(4)社会環境
(5)経済的環境
(6)住生活環境
(7)家庭環境
(8)戦争と平和
(9)自然災害

11.アイデンティティ的価値観

(1)帰属
(2)同一性
(3)存在意義
(4)自己の連続性
(5)他者との共有観
(6)他者からの承認
(7)自己統合

12.功利主義的価値観

(1)有用性
(2)有益性
(3)経済
(4)名誉

13.志向的価値観

(1)好奇心
(2)創造
(3)生の欲求
(4)権力欲求
(5)目的志向

14.共感的価値観

(1)友人
(2)愛する人
(3)グループ
(4)共同体
(5)孤独志向

15.空間的価値観

(1)周辺地理
(2)世界地理
(3)建物空間
(4)自然界空間
(5)地球空間
(6)宇宙空間
(7)空間的世界観

16.時間的価値観

(1)歴史
(2)連続性
(3)瞬間
(4)今
(5)永遠
(6)多様な時間スパン認識
(7)主観的時間と客観的時間