2025年 元旦。 多くの人は一年の抱負を考え決める日である。一年のうち、心機一転を図り昨日までの過去をできる限り断絶し、新たに心を切り替える日の代表は元旦と誕生日である。しかし心機一転と言っても一カ月もたてば忘れてしまう人が殆どのような気もする。そうならないように、元旦ということもあるので「新生」について考えてみよう。 ハンナ・アーレント ... Read More
思想について
今日は2024年の大晦日。 最近は日々の断想を書くことを怠っていた。思いついたことはSNSプラットフォーム X(エックス:旧Twitter)に独り言として書くことが多かった。手軽である一方、ここにしっかりと残す作業がわずらわしく感じていた。また、「人類哲学の独創」と「私の美学建設」というライフワークの本論に注力していたことも一因である。 せっかくの大晦日な... Read More
自由な思考への哲学的な旅
7年ほど前にリベラリズムについての論考を書いたことがある。「リベラリズム考(1)―多義性」から連続11回。今回は「思考」という違った角度から「自由」について少し掘り下げてみたい。哲学的思考の旅を楽しもう。 リベラルという言葉の第一イメージには「自由」がある。しかし言葉の概念イメージは、個々によって異なる。リベラリズムは多義的であり「自由」も多義的だ。前者に... Read More
偶然性と自由意志
1.偶然性と必然性 私はこれをまず、自分が主体として捉える場合と客体として捉える場合とに分解したい。偶然性の議論をする上で、偶然と必然の対照性について考えることが糸口になると考えるからである。対比構造の議論によって理解が深化し、新しい本質的な知見が得られるのではないかという期待もある。 そしてこのテーマの向こう側に、自由意志の有無の議論がある... Read More
『正法眼蔵』から学ぶ
道元の大著『正法眼蔵』。今までは気が向いたとき断片的に、原典に軽く触れるだけだった。しかし原典は難しい。もし任意の一巻だけでも真剣に自力で解釈しようと思えば2-3日では済まない。解釈も日々変わる。 今回、思うところがあり、現代語訳の書物の手を借りながら真剣に読んでいくことにした。巻の数え方は諸説あるが「七十五巻」として進めていく。第一巻から読み始めるという... Read More
《断想》はプラクシス
《断想》を書くのはひさしぶりだ。約三か月ぶり。最近はインプットがほとんどでアウトプットが出来ていなかった。サボりだ。インプットは楽だからねえ。でもインプットだけでは全然身につかない。忘れてしまう。あまり意味がない。本来、アウトプットのためのインプットのはずだ。読書で学んだことを使っていくことで、はじめて身についていく。そういうものだろう。 ところで、このウ... Read More
巨人の肩の上には乗らない
知の創造にはオリジナルなどなく、先人たちが積み重ねてきた業績を土台として展望を開いてきたという思想がある。進歩主義思想である。先人たちを「巨人」として喩え、我々は巨人の肩の上に乗って遠望することができるなどと言う。ニュートンが述べた言葉とされる。 ゼロから知の創造を立ち上げることなどできないと、まるでそれが真理かのように語る人がいるが、自分が進歩主義思想の... Read More
人生フィナーレの思想
「どのように生きればよいのか?」「どう生きようか?」 この問いが頭のなかを駆けめぐるという経験をしたことがない人は滅多にいないだろう。誰もが考えること。高齢になってもこの問いを考える人がいるかもしれない。一方で、ある程度の年齢を超えると「どう死のうか?」を考えるようになる。このことを考えない人考えることを避ける人もなかにはいるだろう。 「どう死のうか?」は... Read More
本格的なライフワークとして
このウェブサイトの二つの柱である『人類哲学の独創』と『私の美学建設』を創っていくことは、私のライフワークとなった。ライフワークにしようと目的化したのではなく、いつしか自然にそうなった。 「ライフワーク」 を辞書でひくと次の意味が出てくる。 一生をかけてする仕事や事業。畢生の仕事。(広辞苑第六版) 一生をかけた仕事や作品。畢生の事業。(大辞林第三版) ... Read More
ミンスキー『心の社会』
この本では、心がどうはたらくかを説明しよう。知能は、知能ではないものからどのようにして現れてくるのだろうか。この問いに答えるために、この本では、心がたくさんの小さな部分を組み合わせて作れることを示そうと思う。ただし、それぞれの部分には心がないものとしよう。 このような考え方、つまり、心がたくさんの小さなプロセスからできているという考え方を、《心の社会》と呼... Read More