前の記事では生得について少し触れた。本記事からは、生後まもなくから死の直前までの経験によって獲得されるあらゆることを習得として扱う。 ひとりの人格はどのようにつくられてゆくのか。 人間が意味や価値をものごとに与えるのは、実在客観世界から受容する第一次情報から始まる。私たちの身体も実在客観世界の物質からつくられている。 デカルトは「私は考える」「私は存在して... Read More
principle(3)生得
生得的は先天的と言い換えることができる。対象となる生物(例えば人間)が生まれながらにもっている性質や個別的気質を表す。生得的の対義語は習得的。 近い意味の言葉に本能があるが、現代の学問上ではこの概念は放棄されている。語義の精微さに欠け、論拠に用いれば思考停止に陥る。哲学的にも既に本能という言葉は使われなくなっている(『岩波哲学思想事典』)。なので本能という... Read More
principle(2)人類知の限界
人間(個体)の本質を探究していく上で、未来において究極の人類知でさえ小さな一部として包摂される、永遠に未知の「〇〇」の世界観を仮設定しておく。人類知を超越した「〇〇」は人類知では対象化できないため人類言語で定義づけることも名づけることも避けねばならない。 人類知は、その究極に至っても鎖に縛られた箱から出ることはかなわない。 なぜ人類知の限界を設定するのかに... Read More
principle(1)序
観念論と実在論および直接視座にかんする subject シリーズ( 1 ~ 10 )の新たな展開として新章に入る。principle は「原理」という意味でタイトルに付けた。人間「個」の原理を追求していこうと思う。価値観、価値付与、現象の認知から解釈、欲求の生成から表現(実行)、意思と意志、意識と無意識などを根本原理から解明したい。 来年か再来年には su... Read More
個人的無意識構造と言語の「場」
古代ギリシア哲学のプラトン、アリストテレスから始まった認識論について、以前から「subject」シリーズ (1)序 ~(10)で考察している。私独自の「観念論的視座ー実在論的視座―直接視座、のディオ・トレビスタ」の認識構造を構築し論理展開している。このシリーズの現段階での最終記事は7カ月前の (10)客観世界(改) 。 ここから更に新しい地図を描こうと思う... Read More