「価値観原理」から議論を始める


道は全く見えず、高き山々の連なりが見えるだけだ。

前の記事で、「人類哲学の独創」についてのアウトラインをつくった。まずは4本柱となる原理のうち、価値観原理と概念原理から入っていく。予定する第一項目からスタートするつもりはない。その日その時の自分にとって最も高い関心をもつテーマから始める。まずは価値観原理論の第4章「価値観の形成と変容」から議論をスタートする。同原理論の他の章や概念原理論とも密接に関係してくるので、次の日の思い付きでどこに派生するかはわからない。哲学の議論に疲れ心が乾いてきたら、「私の美学建設」のほうへ移って、日本思想について書くかもしれない。アウトラインはあるが、計画はあるようでない。

価値観の形成と変容には、広範な構成要因と複雑な関係性を含む。

例えば歴史認識が価値観に影響を与えるのは自明の理であるけれども、歴史についての事実は瞬間的な現象記録にしかなく、事実起点および事実を恣意的に繋ぎ合わせての憶測によって、人類は歴史の物語を創作してきた。歴史の物語はほとんどが幻想であり虚像である。

そう考えてゆくと、「歴史を解釈するとはどういうことか」「歴史を信じるとはどういうことか」という哲学になってくる。まさに歴史哲学だと言える。

同様に、宗教や文学、映画、法、教育なども価値観に大きな影響を与えるが、例えば「宗教に対してどのように対峙するのか」「法に順う正義は外部価値への依存ではないのか」「教育は国家や大人の善価値観の押し付けではないのか」というふうにそれぞれが哲学になってくる。

価値観を考えること自体が哲学であり、もはや目的が何であるかさえ霧に包まれてしまうが、これでいい。そのうち視界は開けることだろう。

 

 

 

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