宗教と価値観形成(3)


「祈り」について。

祈りは宗教的行為である。科学的根拠は何もない。日本人は無宗教というけれど、寺社へ参拝し祈りの行為を行う人々がとても多い。祈る際には厳粛な心持ちになる。神であれ仏であれ天であれ、なんらかの超自然的存在を想定して祈るのだろう。祈ることで願望を叶えようとする。自分ではどうにもならないことに、祈るのである。或いは、感謝の意を超自然的存在に対し伝えようとして、祈る。

自己の価値観が祈るという行為を生みだす。自己に内在している宗教的価値観が祈るという行為によって刺激され、超自然的存在を信じるのである。それが一時的であるにしても。

はっきりと特定の宗教を意識せずとも、「宗教的なもの」がある可能性を私たちは信じる。この「宗教的なもの」という曖昧な観念は、どのような影響から自己内に生成され定着したものだろうか。

宗教と宗教的なもの、この違いについても考えてみたい。

 

 

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