幸福であることが他人に対しても義務であることは、十分に言われていない。幸福である人以外には愛される人はいない、とは至言である。しかし、この褒美が正当なものであり当然なものであることは忘れられている。不幸や倦怠や絶望が、われわれすべての呼吸している空気のなかにあるからだ。そこでわれわれは瘴気(しょうき)に耐え、精力的な手本を示していわば共同... Read More
星の王子さま(2)―Only One
星の王子さま(1)―Prologue からのつづき 今日の記事では星の王子さまの核心にいきなり踏み込む。 表題は『Only One』でなんとなく解る人はいるに違いない。しかしそのなんとなく解った人の期待を私はたぶん裏切る。 本題に入る前に、書を味読する際には一つの視点から理解しようとする方法と、多数... Read More
星の王子さま(1)―Prologue
『Le Petit Prince (星の王子さま)』 Antoine de Saint Exupéry サンテグジュペリ(1900-1944)作 1943年に出版されたこの書は現在、200か国以上の言語に翻訳され、世界的なロングセラーとして多くの人たちに愛読されている。日本語版も20社を超える出版社から刊行されており、それぞれの邦訳を楽しむ... Read More
リベラリズム考(11)―新構想
リベラリズム考(10)―概括 からのつづき。 今回が本シリーズのラストの記事となります。 新しいリベラリズムを構想する。 個人主義と共同体主義の公正、自由と正義、自由主義の他律化など、相反する価値が混在しているリベラリズムは下手をすれば社会混迷の原因になりかねない。克服すべき点は多いがもっとも現実的な「寛容のパラ... Read More
リベラリズム考(10)―概括
リベラリズム考(9)―批判 からのつづき。 今回のシリーズで、リベラリズムについての要点をある程度はあきらかにすることができたと思う。しかし、遠く2500年前の古代ギリシア時代に淵源をもつ、リベラリズムの歴史における深淵の一端をうかがえたに過ぎない。本格的な独自考察は今後じっくりと進めるつもりです。ジョン・スチュアート・ミルの... Read More