同一日の2記事掲載ですので、個人主義(ⅰ)を先にお読みください。以下、まずは事典の引用から入ります。 (3)規範的主張 規範的主張としての個人主義は、何をもって良き生とするかの決定を個人に委ねよ、という個人の自律・自己決定を主張する。 この規範的な個人主義は、理論的には、社会の存在性格についての存在論的な個人主義とは独立であって、社会を超個人... Read More
リベラリズム考(5)―個人主義(ⅰ)
今回は前回の流れからリベラリズムの批判と吟味についての論考を書く予定をしていたけれども、まだ批判には早いと考え直した。リベラリズムの別の側面についてを更に考究するために路線変更をし、今回は、個人主義についての考察をしてみようと思う。 リベラリズムの性格の中核には個人の尊重がある。 日本人は海外からの評価的にも自己評価的にも、「個人」として成熟していないと思... Read More
リベラリズム考(4)―Liberty
多義的であるリベラリズムの淵源が啓蒙と寛容にあることを再確認した。次は、啓蒙と寛容がいかにして「Liberty」に結びついていったのかについて、自由と邦訳されるリバティの本質とは何かを考えてみたい。 まず英和辞典から「liberty」と「freedom」を引いてみよう。 ■ liberty 【自由】 1.(圧制、外国支配などからの)自由;(監禁などからの... Read More
リベラリズム考(3)―寛容
前の記事では啓蒙思想を扱った。 Lumières Aufklärung Enlightenment を日本語に翻訳した「啓蒙」の二文字には、ヨーロッパの各時代の歴史、そこに生きた知識人たちの葛藤と格闘による膨大な叡智が凝縮されていることを学んだ。こんにち、単に「リベラル」という語を軽く扱う現代の知識人、特にマスメディアや政治家、評論家は、啓蒙の叡知と... Read More
リベラリズム考(2)―啓蒙
リベラリズムの思想的淵源は「啓蒙」と「寛容」にあるというのが学者の共通了解ということであった。まずは啓蒙思想について調べ、そのアウトラインをリベラリズムの「イメージ」として映し出していこう。 ■ 啓蒙思想 Lumières Aufklärung Enlightenment いっさいを理性の光に照らして見ることで、旧弊を打破し、公正な社会... Read More
リベラリズム考(1)―多義性
昨今、政治におけるリベラルとは何か、保守とは何かの定義がぐらついており、日本の政治家の自称リベラル派とマスメディアによる、リベラルという語の語義、語感についての誤った表現には看過できないところが大いにある。この機会にあらためてリベラリズムを掘り下げてみようと思う。 リベラリズムとは何か。 直訳すれば自由主義であるが非常に多義的である。リバティ... Read More
漫画からの現代価値観への問題提起
今日は軽い話題から。 週刊少年ジャンプに今年から連載されている、『ぼくたちは勉強ができない』という漫画について、おもしろいので書きます。 唯我成幸を主人公に、緒方理珠、古橋文乃、武元うるかの3人がヒロイン。 全員が同じ高校の3年生で大学受験を控えている。理珠は理系の天才で理系科目は常に100点満点。ところが国語がめっぽう出来なくて0点に近い。文乃は理珠とは... Read More
私は生きる。どのように?
人生の目的とは何かについて少し考えました。 「人間にとって」ではなく、「私にとって」です。 しかも今の私にとってであって、過去の私にとってとは違いますし(価値観の変遷があります)、また未来においてこれがどう変わっているのかは、まったくイメージできません。 人生の目的とは、人生そのものである。 何かに成りたいだとか、何らかの明確な目標をもって結... Read More
1ヶ月で5億年の生物進化
三木成夫さん(1925-1987)という医学者が書いた本によると、人間の内臓は宇宙のリズムに呼応しているらしいです。そして赤ちゃん受胎後30日からからわずか1ヶ月で魚類から両生類、爬虫類、哺乳類の5億年の変化を三木さん自身が確認したと述べています。 1ヶ月間で生物進化の5億年分というのは凄過ぎる。女性の体の負担も相当でしょう。 今後、この仮説が検証されるか... Read More
理性的を凌駕する感情的
感情的は理性的よりも劣るというのが現代社会一般の評価のようです。理性によって感情をコントロールせよと。 アメリカから輸入されてきたアンガーマネジメントという、怒りの感情を理論武装によってコントロールするコンサルティングが流行になっていた時期もありました。あれはどうなったんだろう? 欧米の感情に対する考えかたは、理性によって制御して表面に出さないこと、自我に... Read More