アイデンティティ(1)

いよいよ本記事から自己の根源的テーマに入ります。前記事までは帰属の意義、所属への欲求とメリット/デメリットなどについて考えてきました。それらの課題もまだまだ十分には程遠い途上にありますが、一旦寝かせます。ここからの論考は抽象論的な「自己」の解体と再建設を考察主体とする。特に「自我」や「主観」「表象」「意識」について掘り下げることになる。 まずは前記事とも関... Read More

帰属意識(5)アイデンティティ

『HINOMARU』を歌うRADWIMPSは若者に人気のグループであるらしく、批判に対しての批判として若者の擁護が大きな声となっているようだ。ますます「近頃の若者は右傾化している」と言われるかもしれないが、反左傾が実態ではないだろうか。そしてこれは世界的傾向にある。 つまり、右傾化への流れを作ったのは皮肉にも、左派メディアと左派運動家のポリティカルコレクト... Read More

帰属意識(4)ナショナリズム

『HINOMARU』の歌詞が注目を集めている。批判することも擁護することも歌詞内容に同感することも、議論となることについて言えば国民意識は健全というべきだろう。そのほとんどがナショナリズムに直結させての考察であり、これは作詞者のブログを読んでみても同じである。まずはナショナリズムについて考え、次に別の側面からも光を当ててみたい。 例によって批判する立場の日... Read More

帰属意識(3)愛と協働

ある集団への帰属意識は多様な形で愛情を生みだす。 前の記事では所属する集団の分類と価値について考えました。さまざまな集団が所有する価値に対して私たちは欲求を覚えます。価値に対する欲求をかなえて所属することで、その後に生じる帰属意識の愛と協働行為の素晴らしさと、注意しておくべきデメリットについて考えてみたいと思います。     ■ 帰属... Read More

帰属意識(2)帰属欲求の生成

生物の行動原理として人は、「価値」を付け「欲求」する。あるいは自然欲求(生理的欲求)を生得的に所有している。次の段階では対象の価値を探す。または価値を偶然に認識して欲求する。価値と欲求は切っても切れない関係にあり、「生の営み」のすべては価値と欲求によって説明できる。 ナショナリズムや所属にかんしても、人それぞれに異なる範囲と異なる種類の価値付けを行っており... Read More

帰属意識(1)序

この3~4年、仕事関連で VUCA (ブーカ)という経済用語が使われるようになりました。もともとは軍事用語でアルカイーダのことを主に指してアメリカ軍関係者が使い始めたとのこと。「VUCAの時代に入った」のは軍事だけでなく経済もそうで、インターネットを利用したIT事業を中心に大変革が起こった。Vucaとは、Volatility(不安定・変動)、Uncerta... Read More

自己欺瞞との対決

日本古来からの価値観 「きよきあかきこころ」 における究極のすがたの前に、最終的に立ちはだかる最強の敵を私は、「自己欺瞞」だと考えている。清らかで明朗なこころが自分のすべてであるようにと希求する意志と主張、その裏に、無自覚に、無意識的に、密かに潜む自己欺瞞に私はうすうす気づいている。自己欺瞞との対決は、おそらく、仮に数百年生きたところで終わることはないと思... Read More

時間を主とし空間を従とする世界

私たちは空間(物質)を主体とする世界観のなかで生きています。これはおそらく、視覚的感覚に過度依存していることと、幼児のころからの教育と慣習によってだと考えています。空間を主とし、時間は従の立場。この構図では空間における運動を時間で計測することしかできません。それがガチガチの固定観念になってしまっている。   いま私は、時間を主とし、空間を従とする... Read More

「時間(私)」から観た世界

今、「時間」 に成りきる感性実験をしています。これは4月半ばころに気づいて暇を見つければやっているのですが、新しい哲学の地平が開けるような予感があります。 私が「時間」になるのではなく、「時間」に私がなるのです。この違いは大きいのです。「時間」に乗り移ってしまう感覚で、そこでの体験が目的です。 現代科学の物理学では、時間は、空間という「物質」の運動に付随し... Read More

若者よ、孤高となれ

最近の風潮に、「ものわかりのよい人になりなさい」というのがある。他者の個性を認め、自由を尊重し、その個性や自由に対し批判してはならないと。批判された者の傷つく心情を考えろと要求する。 かような負荷のかからない、ひょろひょろとした軟弱な精神を育てるような母性社会からは一目散に退散した方がよいだろう。 若者よ、やわな母性社会から逃げよ。孤独へ逃げよ。 &nbs... Read More

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