『日本』という個性(6)

  結局、幽玄に美しさを感じるのは、けっして見えない「玄」をわれわれの想像の中に置くことで、全体観が、心の中におのずと描き出されるということでしょう。 例えば今日のアイキャッチ画像の、雲海の下に別の世界があることを、無意識のうちに想像(補完)しながら全体観をとらえているはずです。 「秘すれば花なり」にも通底する、「不完全、未完成のものゆえに美し... Read More

『日本』という個性(5)

  前回記事からの続きです。 幽玄の美しさとはどのようなイメージなのかを考えます。 幽玄という観念が中国から輸入されて約1200年余。日本特有の幽玄へとおそらく変化していると思います。平安王朝時代に主に歌論で見られる幽玄、世阿弥が活躍した室町時代の幽玄、安土桃山時代に茶道を極めた千利休の頃の幽玄、江戸時代の幽玄、明治維新からの近代の幽玄、そして... Read More

『日本』という個性(4)

  先月より、『日本』という個性シリーズを書いています。 前回の記事では『葉隠』の武士道について触れました。武士の生きざまは死にざまであり、そこに数百年以上も続いてきた「日本男児」のロールモデルを見ることができます。 前々回の記事では「慕う」という感情と、「秘すれば花なり」について触れました。いずれもおくゆかしく一歩後ろに引いた日本人の内面文化... Read More

『日本』という個性(3)

    武士道といふは、死ぬ事と見附けたり 異端の書として有名な『葉隠』にある言葉です。   新渡戸稲造の『武士道』は、江戸時代の徳川家の方針によって朱子学(儒教)を叩き込まれた武士たちの、「武士の文化・規範・心得」を英語によって海外に紹介したものです。 一方、上記の『葉隠』(はがくれ)は1700年代前半に佐賀鍋島藩の山本... Read More

『日本』という個性(2)

  「愛してる」 小林麻央さんの最後の言葉を海老蔵さんが公表したとき、胸が熱くなったかたが多かったのではないかと思います。私もそのひとりです。 私の世代では「愛してる」は世間のそこらじゅうに溢れていて、言葉にするにはちょっと照れくさいながらも、エーイ言ってしまえ!で言える言葉になっていました。おそらく団塊の世代の人たちまでは、歯の浮くような「愛... Read More