『日本』という個性(9)

  毎年この時期になると先の大戦が話題になります。特に神風特攻隊については、マイナス評価として語られている文章をよく目にします。空の神風よりも先に、人間魚雷として実用化された海の回天で散っていった英雄も忘れてはなりません。 作戦についての是非、賛否は横に措きまして、まさに体当たりで玉砕していった英雄たちの精神とはどういうものであったかについて考... Read More

『日本』という個性(8)

  今日のテーマは「いき」です。 「いき」は漢字で「粋」とも書きますが、前者はもともと江戸っ子の「意気」であり、後者は上方(京都)の「粋(すい)」で異質なものでした。語源とその変遷についての知識的なものはインターネット上に転がっていますので、ここでは語りません。 おそらく京都のかたの「粋(すい)」、江戸っ子の「いき」にはそれぞれ誇りがあると思う... Read More

『日本』という個性(7)

  小学生のときに学校主催の「高原教室」があって、何泊か忘れたけれども山奥の小学校へ出向きキャンプファイヤーを楽しんだ。 『もえろよ、もえろ』などの歌をみなで歌った。 特に記憶に鮮明なのは、「星かげさやかに、しずかにふけぬ」を歌いながら見上げた夜空の美しさ。空気が澄みきって灯りがなにもないなかでの星空に感動した。 この、「さやか」という感覚から... Read More

『日本』という個性(6)

  結局、幽玄に美しさを感じるのは、けっして見えない「玄」をわれわれの想像の中に置くことで、全体観が、心の中におのずと描き出されるということでしょう。 例えば今日のアイキャッチ画像の、雲海の下に別の世界があることを、無意識のうちに想像(補完)しながら全体観をとらえているはずです。 「秘すれば花なり」にも通底する、「不完全、未完成のものゆえに美し... Read More

『日本』という個性(5)

  前回記事からの続きです。 幽玄の美しさとはどのようなイメージなのかを考えます。 幽玄という観念が中国から輸入されて約1200年余。日本特有の幽玄へとおそらく変化していると思います。平安王朝時代に主に歌論で見られる幽玄、世阿弥が活躍した室町時代の幽玄、安土桃山時代に茶道を極めた千利休の頃の幽玄、江戸時代の幽玄、明治維新からの近代の幽玄、そして... Read More

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