価値観の現象学的性質


昨日の断想で見てきたように、価値観には連続的同一性の性質がある。毎分毎秒、外部からの情報や内面での思索、環境や身体状態によって価値観は刻々と変化するが、分断されることなく滑らかに連続している。

そのほかの現象学的性質について、項目に分けて議論していこうと思う。

 

1.価値観の固有性と共有性

価値観は個人固有のものである。固有になるにはどのような原理がはたらいているのか。一方で個人間から国家間にいたるまで、価値観には共有されるという性質がある。共有性には帰属欲求も絡む。固有性と共有性の相互関係性について考えを深めていく。

2.価値観の非分断的持続性

時々刻々と価値観は変化するが、途切れることなく連続している。アイデンティティの同一性に価値観の連続性はどのように関与しているのか。記憶の連続性と価値観の連続性について考えを深めていく。

3.価値観の感情性

価値観は欲求を生む。欲求は感情を生む。価値観は間接的に感情に結び付く。価値観が人間の心と結びつくことによって感情を生み出す原理について明らかにしていきたい。

4.価値観の意識性と無意識性

価値観は無意識領域に根付くと考えられるが、意識性が内省となって変容していく場合もある。価値観がどのように無意識に浸透し、どのように意識に現れるのか。

5.価値観の受容性

他者の価値観から影響を受け、自己の価値観が変化していく性質について。

6.価値観の影響付与性

自分の価値観を表現することによって他者に影響を及ぼし、他者の価値観が変化していく性質について。

7.価値観の多様性と相対性

8.価値観の統合性と矛盾性

9.価値観の発展性と変容性

 

価値観の現象学的性質について、現時点で項目別に分解してみた。今日の記事と7月25日の断想記事「『価値観原理』構想」の章立てをミックスさせ、価値観原理についての地図を網羅的に描いていく。

 

 

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